ねこのすっぱ抜きサラダ パワナ・くじらの失楽園 ル・クレジオ 書評
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パワナ・くじらの失楽園 ル・クレジオ 書評

パワナ くじらの失楽園
菅野 昭正
集英社(1995-05-26)
売り上げランキング: 344202

6・5点
捕鯨船の乗組員ジョンの回想から物語ははじまる。舞台は19世紀、アメリカ北東部に浮かぶ沖合の島ナンタケット。島は、鯨を追い求める男たちの熱気であふれ返り、売春宿が置かれている。そこでジョンは、奴隷の少女アラセーリと出会い、恋心を抱く。しかし、少年にとって彼女は、話しかけることもためらわれるほど遠い存在だった。
やがて少年は捕鯨船に乗り込み、島を後にする。
もう一人の語り手は、チャールズ・メルヴィル・スカモン船長。彼が見つけたのは、鯨たちであふれ返る楽園だった。雌の鯨が仔を産む場であり、年老いた鯨の墓場でもある。しかし、人間に見つかったことによって、楽園は血に染まり、殺戮場と化してしまう。「もし自分たちがここを発見しなかったなら、ここは鯨たちの楽園のままでいられただろうか?」船長は自責の念にとらわれてしまう。
一方、意気揚々と島に戻ったジョンもまた、取り返しのつかない事実を知り、苦悶する。
「もしもあのとき、ああしていれば、また違う結果を得られたのだろうか?」誰しも一度はこんな経験があるのではないだろうか? ジョンにしても船長にしても、一度は手にしていたはずの楽園を失ってしまうのである。後に残されたのは、取り返しのつかない悔恨の日々だけだった。
詩情豊かな言葉で綴られた中編小説。捕鯨国の国民には胸の痛くなる話である。
特筆すべきは、メルヴィル白鯨」(未読)と同じ舞台だということ(解説より)。白鯨とはまったく趣の異なる姉妹編といったところだろうか。
著者ル・クレジオはフランス出身。2008年にはノーベル文学賞を受賞している。

 
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