ねこのすっぱ抜きサラダ 白い果実 ジェフリー・フォード 書評
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白い果実 ジェフリー・フォード 書評

 6・5点

 観相__人の体や顔の造りを計測し、その人物のひととなりや未来を占う学問。
 一級観相官クレイは、不老不死をもたらすとされる白い果実の行方を探るため、辺境の地へと出向させられる。白い果実は、鉱山の坑道から発掘されたミイラが持っていたもので、たった今熟したばかりのように見えるのだという。クレイは、地元の娘・アーラを助手として雇い、捜査を開始する。はたしてクレイは白い果実を見つけ出すことができるのか?
 と、ここまでが第一部。物語は二転三転し、第二部の魂の救済、第三部・反乱編へとつづく。

 青く結晶化する奇病、幻覚をもたらす美薬、森の奥にあるという伝説の楽園、森に住まう魔物、理想形態市ウェルビルトシティに鎮座する独裁者ビロウ、人狼、サイボーグ剣闘士、超常能力と、本書に詰め込まれた特異な設定を挙げてみたが、下手なSFやファンタジーと違って、重量感のある物語に仕上がっている。
 冒頭部分は作品世界の説明にページが割かれていて読みづらいが、100ページを過ぎた辺りから、重厚な設定が活きてきて、夢中で読み進めることができるようになる。
 映画スリーピーホロウを彷彿とさせる第一部。スリーピーホロウよりもずっとダークだが、小説ならそのくらいの方がちょうど良い。第二部は、本書の訳者あとがきによれば、ダンテ「新曲」もしくわ、カフカ「」(どちらも未読)を想起させるらしい。第三部は、異論が出るかもしれないけれど、「AKIRA」のような雰囲気と言って良いだろう。
 本書は三部作の一作目。この後、「記憶の書」「緑のヴェール」へと続く。近日レビュー予定。
 ちなみに、翻訳者の一人は山尾悠子氏である。金原瑞人、谷垣暁美両氏の翻訳を山尾氏がリライトしたそうだ。

    
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