ねこのすっぱ抜きサラダ 児童文学

マリアンヌの夢 キャサリン・ストー 感想


6・5点
突然の病に倒れたマリアンヌは、ある日、一本の特別なえんぴつを手にする。
それは夢を操ることのできる魔法のえんぴつだった。
マリアンヌが描いた家には一人の少年が暮らしていた。
彼は何者かがこの家を見張っていると言う。
はたしてマリアンヌはこの家から脱出できるのか?

夢を描くことのできる魔法のえんぴつ。
家を描けば家があらわれる。しかし、階段を描かなければ2階に上がることもできないし、食料が欲しければそれを絵にしなければならないという、けっこう現実的な側面もあわせもっている。
マリアンヌが出会った少年は、筋肉を動かすことのできない寝たきりの少年だった。
どうやら彼も夢を見ているようなのだが、マリアンヌと違うのは、現実世界でのできごとを覚えていないというところ。
マリアンヌはそんな少年をはげまし、歩くことができるようにと一緒になってトレーニングをする。
そうすることで、現実世界でも彼の状態が回復に向かっているらしいことをマリアンヌは知る。
これは、子供たちの生きる気力、病に立ち向かう勇気を奮い立たせるための物語。
さらに、家を見張る謎の存在を設定することで、単なるファンタジーとは異なるカラーを演出している。
これがけっこう不気味で、大人が読んでも背筋がゾッとするほど。
作者は、数々の名作児童文学をものしたイギリスの精神学者。
この続編と思われる「海の休暇」という作品もあるらしいのですが、残念ながら未読です。
対象年齢としては小学校高学年くらいですが、児童文学ファンにもおすすめ。
不気味なドラえもんみたいな感じです。

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theme : 最近読んだ本
genre : 本・雑誌

tag : ファンタジー 感想

2140 ピーター・ピンセントの闘い ジェマ・マリー 感想

2140 ~ピーター・ピンセントの闘い~
橋本 恵
ソフトバンククリエイティブ(2009-04-08)
売り上げランキング: 570420

7点
収容所から脱走して数か月後。両親の犠牲によって市民権を得たアンナとピーターは、好奇の目にさらされながらも懸命に暮らしていた。
収容所に残された”サープラス”の子供たちを救うべく、地下組織と関係を持つピーターは、長命種”リーガル”の元凶となった製薬会社に潜入した。そこで彼が見た衝撃的な真実とは!?

前作のラストでサープラスと呼ばれる奴隷の立場から解放されたアンナとピーターだったが、ふたりを見る世間の目は依然として厳しい。あからさまな侮蔑を受けながらも、マイノリティーとして毅然とした態度を貫き通すことができるのか? こういった差別に立ち向かうには、ふたりはまだまだ幼く、長命措置を受けるべきか否か揺れ動く姿が描かれている。
不死になることそのものは悪ではない。しかし、その代わり、自由に出産することを禁じられている。出産は罪だ、新生児は罰を受けなければならない、というのは横暴そのものである。これは、医療技術だけが急速に発達した偏った未来の話だが、こういった問題提起は今に始まったものではない。
人口が増えることによって、食糧、仕事、エネルギーが枯渇し、生活の基盤が揺さぶられることになるのではないか、というテーマは、ハリイ・ハリスンの「人間がいっぱい」でも論じられていることだ。いわゆる難民問題であり、格差の問題でもある。
こうやって考えると小難しい話だと思われるかもしれせんが、本書はあくまでもヤングアダルト小説。そこまで深く論議されていない(そこがちょと物足りない部分でもあるのだが)。スピーディでサスペンスフルな展開は前作を凌駕している。
前作と同じく、物語はあっさり幕を閉じてしまうが、それは次回作への布石か、と勘ぐってしまう。本書が刊行されたのが2009年。そろそろ新作が出てもいいんじゃないかと思ふ今日このごろである。

人間がいっぱい (ハヤカワ文庫SF)
浅倉 久志
早川書房(1986-02)
売り上げランキング: 306139


theme : 児童文学・童話・絵本
genre : 小説・文学

暗黒天使メストラール クリフ・マクニッシュ 感想

暗黒天使メストラール
Cliff McNish
理論社(2008-05)
売り上げランキング: 927273

6・5点
フレイアは天使を見た。しかしそれは昔の話。あれは現実? それとも幻?
それ以来天使に憧れを抱くようになったフレイアは、幼少期を精神病院で過ごさなければならなかった。そして今、天使のことを忘れたフリをすることでようやく学校に戻ってくることができた。そんな彼女の前に、もう一人の天使狂があらわれて、せっかく築き上げた”普通の女の子”としての日常に翳りがさすことに。
天使を信じれば除け者にされ、誰かを除け者にすれば日常生活を送ることができる。
14歳の少女はそのとき、どちらを選択するのか?

もしも天使が実在したら?
あなたが天使になったなら、その無償の愛で、苦しむ無数の人々に手をさしのばすことができますか?
全ての人を救うことはできない。誰かを救えば、その分またどこかで誰かが苦しむことになる。
14歳の少女フレイアは、辛い入院生活を終えて日常に帰ってきた。自分はまともな人間だということを示すには、天使を見たなどという妄言を語ってはならない。学校には、オシャレでカワイくて、男の子にモテるカリスマ少女エイミーがいる。彼女のイケてるグループについていくには、自分と同じように天使を信じているという少女を冷たくあしらわなければならない。しかしそれは、かつて見た天使の存在だけでなく、自分の存在理由すらも否定しなければならないという苦悩をはらんでいた。
10代の揺れ動く心理を見事に描写したヤングアダルト小説の決定版!

theme : ファンタジー小説
genre : 小説・文学

tag : ファンタジー 感想 レビュー

レイチェルシリーズ クリフ・マクニッシュ 感想

レイチェルと滅びの呪文
堀内 亜紀
理論社(2001-07)
売り上げランキング: 429922

6・5点
ある日、地下室に現れた謎の扉。
扉の先には魔法の世界が広がっていた。
自らの後継者を探して、子供をさらっては過酷な試練を課す不気味な魔女と、魔女に抵抗するレジスタンスの長期にわたる戦い。
魔法の力を身につけたレイチェルと、呪文を破壊することのできる弟のエリックが魔女に果敢に立ち向かう。

レイチェルと魔法の匂い
堀内 亜紀
理論社(2001-12)
売り上げランキング: 500837

7点
激しい戦いから1年後。ふたたび現れた邪悪な魔女の一団が地球を襲う。
魔法の素質を持つ子供たちを連れ去り、同士討ちを画策する魔女軍団。
はたして地球をピンチから救うことができるのか?

レイチェルと魔導師の誓い
堀内 亜紀
理論社(2002-11)
売り上げランキング: 565596

7点
戦いのため魔女の手でつくられた戦闘種族グリダ。
魔法の国に連れ去られた子供たちを救うためにあえて敵の掌中に陥ったレイチェルとエリック。
敵対する魔導師を殲滅するために協力を強制されるエリックだったが、全面戦争の前に魔導師と魔女に関する意外な事実が明かさる。
レイチェルシリーズ完結編!

ハリー・ポッターと劇場版ドラえもんをミックスしたような正統派ジュヴナイル小説。
終始わくわくしながら読了しました。一巻はアイディア先行で一気呵成に書き上げられた感があるのですが、二巻以降はたしかな筆力を身につけていて、より一層楽しく読み進むことができる。
巻を進めるごとに物語がスケールアップしているので、子供でも飽きることなく楽しめると思う。
このシリーズはクリフ・マクニッシュのデビュー作なのだが、後に書かれたシルバーチャイルドシリーズにも見られるように、一部グロテスクな描写が見受けられる。どうしてグロい表現を使うのか不思議に思っていたのだが、意外にも子供たちがそういうシーンに喰いつくらしい。
現代ファンタジー界の中でも注目の作家の一人、クリフ・マクニッシュ。子供や児童文学ファンにかぎらず、押さえておいて間違いないと思います。

theme : ファンタジー小説
genre : 小説・文学

tag : ファンタジー 感想 レビュー 児童文学

シルバーチャイルド三部作 クリフ・マクニッシュ 感想

シルバーチャイルド〈1〉ミロと6人の守り手
Cliff McNish
理論社(2006-04)
売り上げランキング: 877399

6・5点
何らかの衝動に突き動かされて子供たちは家を飛び出した。
行かなければならない場所がある。一面泥地の港”コールドハーバー”。
はじめは何が目的なのかわからなかった、ミロが現れるまでは。
巨大な天使、巨人、テレパシーなどの特殊能力を身につけた子供たちが、宇宙から飛来する怪物を迎え撃つ!
クリフ・マクニッシュ渾身のコズミック・ファンタジー三部作!

主人公は子供たち。なぜか説明のつかない衝動でコールドハーバーに集まった子供たちが、謎の敵”ロア”に立ち向かうという話。児童文学として売り出されているが、幼い子が読むにしてはグロテスクな描写がある。皮が溶けて腕が落ち、翼が生えるシーンはかなりおぞましい。
スティーヴン・キングドリーム・キャッチャーITのような展開から一転、ラヴクラフト的な宇宙規模のバトルへと発展していく。
超能力をもった子供たちの姿はAKIRAシオドア・スタージョン人間以上を彷彿とさせる。SFファンタジー、ホラーの枠組みを超越した物語です。
上記画像は文庫版なので子供々々してますが、単行本版の不気味なカバーの方がしっくりくる。

theme : ファンタジー小説
genre : 小説・文学

tag : ファンタジー SF 感想 レビュー

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Author:えんまる
SF・ファンタジー系の小説、漫画、映画のレビューおよび、8匹のねこが生息するペットブログを展開中☆

書評の採点について

採点は10点満点です。
6・5点以上がおすすめ。
6点は佳作。
5・5点は好みによる、といった感じです。

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