ねこのすっぱ抜きサラダ A&B・ストルガツキー

ストーカー A&B・ストルガツキー 書評

 6・5点

 突如として地球を来訪した正体不明の宇宙船。しかし、彼らは地球人になど見向きもせずに地球を去った。船に乗っていたのはどんな生命体だったのか、今となっては大いなる謎でしかない。宇宙船が着陸した場所は汚染され、”ゾーン”と名づけられた。ゾーンには、異星人が廃棄したゴミ屑が残されており、ところどころに危険な罠(?)が仕掛けられている。来訪によって職を失った人々は、危険を冒してゾーンへと入り込み、超文明の遺産を拾い集めることで生活を維持している。政府は彼らを”ストーカー”と呼び、オーバーテクノロジーが闇に流れないよう厳しい監視下に置いていた。彼らのあいだで囁かれる伝説の遺産”黄金の玉”の正体を探るべく、レドリックはふたたびソーンを訪れるが……。

 本書は1972年に発表された東欧系のSF作品である。東欧系のSF作家スタニスワフ・レムの代表作「ソラリスの陽のもとに」では、惑星全体を覆う海自体が知性体で、自分たちとはかけ離れた生命体とは一切意思疎通ができないとうたっていたが、本書もまたその系譜をしっかり受け継いでいる。異星人の目的も、オーバーテクノロジーの使いみちも全く解明されないまま物語は幕を閉じる。
「キャンピングカーで旅をしている連中が、ある一夜をどこかの道端でキャンプをして立ち去ったあと、そこに残していったごみは、野の虫たちにとってどんな意味があるのか」(訳者あとがきより抜粋)
 要するに、人類とは全く別の進化を遂げた知的生命体は、人類と同じ価値観を持たない、ということだ。地球人は旺盛な好奇心を持って異星人とコンタクトしようとするが、彼らは何も関心を示さない。宇宙船の着陸によって大勢の犠牲者が出たはずだが、”彼ら”には人間を殺すつもりはなかっただろう。もしも意思疎通が可能だとしたら、そこに何らかの綻びが生じていたかもしれない。今のところ、人間と人間は唯一意思疎通が可能であるが、互いにいがみ合い、争っている。価値観が全く違ったからこそ、ここに描かれている接触は最小限の犠牲で済んだのかもしれない。なんだか恐ろしい話である。
 本書はアンドレイ・タルコフスキー監督によって映画化されている。非常に評価の高い作品なので、一見の価値はあるだろう。前述した「ソラリスの陽のもとに」もタルコフスキー監督の元、「惑星ソラリス」として映画化されているので、ご一緒にいかがだろうか。

  

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