ねこのすっぱ抜きサラダ 長野まゆみ

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天然理科少年 長野まゆみ 書評

天然理科少年 (文春文庫)
文藝春秋(2005-08-03)
売り上げランキング: 197246

6・5点
引っ越しをくり返す父に連れられてまた新しい土地へとやってきた岬。衝動的に降り立った駅舎で、岬は不思議な少年・賢彦(まさひこ)と出会う。小さな町のこと、はたして同じクラスに賢彦の姿はあった。級友が言うには、彼は一度神隠しにあったのだという。失踪した2年後、彼はフラッとこの町に戻ってきた。失踪したときとまったく変わらない幼い姿のままで……。

ミステリーの要素もありますが、本書はあくまでファンタジーとして幕を閉じる。
不思議な物語である。これまで読んだ長野作品の中では一番好き。スティーヴン・キングのような雰囲気でありながら、読後感は宮崎駿作品のよう。
150頁に満たない中編。1頁あたりの文字数も少ないので、あっという間に読了しました。

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絶対安全少年 長野まゆみ 書評

絶対安全少年 (ポプラ文庫)
ポプラ社(2010-10-06)
売り上げランキング: 115654

6点
遊郭の少年……謎の男性から持ちかけられた依頼にしたがい、”F”として遊郭に潜入した緑朗。彼の前に現れたのは、年端もいかない妖艶な少年だった。
特製≪豆蔵辞典≫ ……少年たちがお気に入りの言葉をしたためた小辞典。
雪の落とし子……教員をしている兄の元を訪れた少年は、ヤケに兄と親しい様子。はたして少年の正体は?
読み違え「少年」詩歌集……お気に入りの句や詩を集め、解説を併記した、長野まゆみによる詩論。
少年的日常……少年を題材にしたエッセイ。

著者が一貫して追求している”少年”をテーマにした作品集。短編、著者が描いたイラスト、詩やエッセイと、長野まゆみワールド全開の一冊。ときに耽美、ときに「清爽」な世界観が愉しめる。

野ばら 長野まゆみ 書評

 4点

 月彦が眠りから覚めると、そこは見知らぬ講堂の中。見ず知らずの少年たちが月彦に話しかけてくる。しかし、どうにも記憶にない顔ばかりだ。おりしも、講堂では劇が始まろうとしていた。劇の演目は「銀色と黒蜜糖」。月彦に話しかけてきた少年と同じ名前だ。__目を覚ますと、そこはいつものベッドの上だった。傍らには、夢の中に登場したザクロの実。月彦はザクロを口に含むのだが、それはルビイ色の玻璃玉だった。息が詰まる、と思った次の瞬間、月彦は三度目覚める。今度こそは自分の部屋の中だった。

 こうして月彦は夢と現実のはざまを行き来するようになるのだが、はっきりとしたストーリーラインを掴むことができないまま物語は幕を閉じる。少女趣味なガジェットがこれでもかと言わんばかりに羅列されているだけで、物語はいっこうに進まない。冗長で読みづらかった。本作の初期形だという「夏至祭」の方が出来がいいと思う。

夏至祭 長野まゆみ 書評

 4・5点

 夏になると狂い出す時計。夏が過ぎれば何事もなかったかのように動き出す。時計に鎖でつながれた羅針盤は何を意味するのか? それは祖父が拾ったモノだという。
 月彦は、学校帰りに空家の前を通るのが日課だったが、ある日、その空家の窓に灯が点っているのに気が付いた。窓からは言い争う二人の少年が見える。彼らは、「集会に参加する」ためにわざわざ引っ越してきたのだという。しかし、羅針盤を失くしてしまい、集会の場所がわからない。そこで月彦は、祖父が遺した時計を渡し、彼らの言う集会に参加する。

 その集会で何らかのイベントを起こすべきだった、と思うのはぼくだけだろうか? 集会の様子がチラッとしか描写されず、そこにいたるまでのプロセスのみを読まされた感じ。あとがきによると、本作は「野ばら」という作品の初期形態であり、長らく原稿を紛失していたモノだそう。それなら野ばらも読んでみよう。本を手に取ると、フムフム、なるほど。登場人物は一緒らしいが、物語にもうひとつ厚みがある模様。次につづく。

鳩の栖 長野まゆみ 書評

 6点

鳩の栖……転校生の操にはじめてできた友人。出会いから別れまでの一瞬の交流が描かれている。
夏緑陰……風邪で倒れた寧(やすし)を介抱してくれたのは、存在さえ知らされていなかった実の兄だった。
栗樹……養子に出ていた次兄が帰ってくる。長兄と親しくする次兄に嫉妬を覚える乙彦(たつひこ)だったが、そんな次兄が泣いている姿を覗き見してしまい……。
紺碧……姉を亡くし、天涯孤独の身になった亨。彼を支えてくれたのは、姉の夫・来島ただ一人。義理の弟の面倒をみている義兄とのあいだで妙な噂が立って、離れ離れになってしまう。
紺一点……女系家族の家に下宿させられることになった真木。親は下宿先の娘と真木をくっつけたいらしい。それを嫌う真木はわざと三枚目を演じてみせるのだが、どうやら親の目的は亨の義兄の方にあったらしく……。

 本作に収録されている短編は、いずれも中学生と高校生という思春期まっただ中の少年たちが主人公である。兄弟、または義兄や親友との淡い交流が描かれており、ボーイズラブ的な趣もなきにしもあらず。だからといって、ソッチ系の話ではない。(近年の著者はソッチに流れているらしいが)
 どの作品も優れているが、中でも「栗樹」が印象的だった。長兄と親しくする次兄への嫉妬。それがいかに浅はかなものだったか気づかされるという、儚いラストが待ち受けている。
 少年というセンシティヴな生き物を女性の目から見るとこう映るのか、と気づかされる。読み始めた当初は、少女マンガのような作風にとまどいを覚えたが、読み進めるうちに、これはこれでアリだな、という印象に変わっていった。少年たちの心の機微をうまくとらえた好編がそろっている。

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SF・ファンタジー系の小説、漫画、映画のレビューおよび、8匹のねこが生息するペットブログを展開中☆

書評の採点について

採点は10点満点です。
6・5点以上がおすすめ。
6点は佳作。
5・5点は好みによる、といった感じです。

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