ねこのすっぱ抜きサラダ 長野まゆみ
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夜間飛行 長野まゆみ 書評

 5・5点

 プラチナとミシェルは、偶然、ハルシオン旅行社の特別遊覧飛行の切符を手に入れた。行き先は不明。二人の冒険が今、幕を開ける。
 飛行船に乗り合わせた老紳士、鞄の中には一羽の鸚鵡。シトリン流星群と無数の気球。花咲き乱れるヴィオグラス庭園。黄色い海を割って現れたイエローサブマリンに乗って空を飛ぶ。

 アリスの不思議な国を彷彿とさせる世界観。いささか強引すぎるきらいのあるストーリー。物語終盤に不思議なボタンが出てくるのだが、それが何を意味しているのか、あとがきを読まなければわからない。好みははっきりわかれるだろう。ぼく自身はというと、前半部分はわくわくしながら読み進めることができた。だが、物語が中盤に入ると、目的もなくだらだらと進んでいくストーリーに飽きてしまった。一応、オードブルにされてしまう鸚鵡を捜し出すという目的らしいものがあったはずなのに、それもうやむやになったまま物語は幕を閉じる。鸚鵡は何事もなかったかのように夏至祭のステージに立っているのだ。ただ少年趣味のガジェットを並べ立てただけで、ストーリーというものはあって無いようなものだった。もう少し工夫がほしかった。無念なり。

少年アリス 長野まゆみ 書評

 6点

 水蓮の開く音がする月夜のこと。アリスは親友の蜜蜂と連れ立って、夜の学校に忍び込む。誰もいないはずの理科室で授業を受けている子供たちは、これから星と月を作るのだという。鳥のなりそこないだという子供たちの世界。アリスは帰ることを許されず、石膏づくりの卵に閉じ込められる。蜜蜂は無事、アリスを捜し出すことができるのか?

 本作は長野まゆみのデビュー作。すでにこの頃から彼女の独特な言語感覚が確立されている。この文体は宮沢賢治の世界を凝縮したようなスタイルだが、作品世界によく合っていて、まとまりがある。これを素人がやろうとすると鼻につく文体になってしまうのではないだろうか。
 凌霄花(ノウゼンカズラ)、蛍星、夜合樹(ネムノキ)、曹達水(ソーダすい)、アルコール洋灯(ランプ)、群青天鵞絨(ビロード)等々、本書を構成する言葉たちである。これらの言葉が、まるで宝石箱をぶちまけたかのように頁の端々に散りばめられている。
 読者は、煌めく言葉とリズミカルな文体で、つい作品世界にのめりこみ、時間を忘れて読み耽ることができる。

 なお、本書の「改造版」というものがあるそうだが(未読)、オリジナルの方が良いという声をよく耳にする。植物の名前などを漢字表記からカタカナに変えているらしいのだが、漢字の方が雰囲気があってオモシロイそうだ。また、この作品はドラマCD化されており(下の画像、右)、小説とは一味違った楽しみ方もできる。

 


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5・5点は好みによる、といった感じです。

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