映画「パプリカ」感想
他者の夢に潜入することができる画期的なテクノロジー・DCミニ。
開発されたばかりのDCミニが何者かに奪われた。
その直後から、DCミニの開発者たちの夢に何者かによる操作が加えられるようになる。
はたして犯人は何者なのか?
サイコセラピスト・パプリカによる潜入捜査が幕を開ける!
奇才・筒井康隆原作、天才・今敏監督の夢のタッグがつむぐ悪夢の世界!
他人の夢に入り込む話というと、小松左京「ゴルディアスの結び目」や映画「ザ・セル」がありますが、これらが暗いドグマを扱っているのに対し、本作で描かれている夢は、トラウマに根ざした現実的な側面がテーマ。と思っていたら、物語はどんどんあらぬ方向に発展していき、スラップスティックな狂想曲へと変貌を遂げる。
やはり筒井康隆はどこまでいっても筒井康隆なのだなと思い知らされた。
残念ながら原作の方は未読ながらも、苦労して読んだあの怪作「虚航船団」を思い出した。
どこか「AKIRA」の面影さえ彷彿とさせる、これがその遠い原典と言えるのかもしれない。
夢が現実を侵蝕するシーンは、まるで「もののけ姫」のようだ。いや、このシーンはどちらかというと今敏監督の手法というべきものだったろうか。原作をあたってみたい。
いずれにしろ、日本SF第一世代と呼ばれる小松左京や筒井康隆らの残したはかりしれない影響力のようなものを感じました。SF黄金世代のパワーに刮目せよ!
90分と短い作品ですが、時間を感じさせない出来栄えに圧倒されること間違いなし! おすすめです!

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