ねこのすっぱ抜きサラダ J・M・クッツェー

夷狄を待ちながら J・M・クッツェー

夷狄を待ちながら (集英社文庫)
土岐 恒二
集英社(2003-12-16)
売り上げランキング: 159355

6点
どこともつかない辺境の町に軍隊が派遣される。<夷狄>と呼ばれる遊牧民から移民を守るという名目で虐殺を行う軍と、アンチテーゼたる民政官の”わたし”。大義名分の名のもとに繰り返される拷問や略奪に目をつむりながらも、”わたし”は夷狄の女をかくまい、ただならぬ関係におちいってしまう。はたして”わたし”が主張する正義は報われるのか?

ノーベル文学賞受賞者であるクッツェーは、アパルトヘイトに揺れる南アフリカで生を受けた。彼がこの作品を書いたのもある意味で宿命だったのかもしれない。本書を読んでいて思い浮かべたのは、中南米で繰り広げられたスペイン人によるホロコーストだったのですが、作者の出自からするとアフリカが舞台なのだろう。
主人公は辺境の町を統べる民政官だが、突如として現れた治安警察のジョル大佐の支配下に置かれ、圧政に苦しむ立場に追いやられる。軍人たちは横柄に振る舞い、町民から恐れられているが、未だ見ぬ夷狄という共通の敵の前では意識を共有し、しだいに軍に依存するようになっていく。
軍隊が夷狄を征伐しに出かけているあいだに”わたし”は見捨てられた夷狄の女を保護することになり、やがてその善意が良からぬ噂を呼び、ついには投獄されるはめにおちいる。はたして”わたし”の主張は受け入れられるのか?
人権を主張するには早すぎる時代を描いたホロコースト小説の白眉。読み進めるのが辛いときもありましたが、読み終えた今となっては満足感でいっぱいです。平和な国に生まれて良かったとあらためて実感する今日このごろです。

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theme : 読書
genre : 小説・文学

tag : ノーベル賞 J・M・クッツェー レビュー

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