ねこのすっぱ抜きサラダ クラーク・アシュトン・スミス

アヴェロワーニュ妖魅浪漫譚 クラーク・アシュトン・スミス 感想

アヴェロワーニュ妖魅浪漫譚 (創元推理文庫)
大瀧 啓裕
東京創元社(2011-12-21)
売り上げランキング: 341457

6・5点
クラーク・アシュトン・スミスの幻想怪奇小説第三弾。
以前紹介した「ゾティーク」は遠未来、「ヒュペルボレオス」は超古代が舞台だったが、本作は中世から近代ヨーロッパが舞台。他の作品集とくらべるとより饒舌で、物語としてよくまとまっている感じ。
「黒い童話」とでも呼びたくなるような完成度の高い作品がずらりと並んでいるが、その中からあえて紹介するなら、自分を非難した人々への復讐譚である「イルゥルニュ城の巨像」が白眉。圧倒的な魔術の力によって生み出された巨人像が暴れまわるという話。進撃の巨人かwww
魔境に迷い込んだ恋人を救出する「アヴェロワーニュの媾曳(あいびき)」や、迫りくる魔獣への恐怖を描いた「アヴェロワーニュの獣」、妖女に取りつかれた旅人の話「物語の結末」も捨てがたい。
あとがきによると、作者自身がこのシリーズを気に入っていたようで、「黒の書」と呼ばれる創作ノートには未完のプロットがいくつも記されているらしい。
クラーク・アシュトン・スミスの入門書としてお薦めしたい。

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tag : ファンタジー 感想 レビュー

ヒュペルボレオス極北神怪譚 クラーク・アシュトン・スミス 感想

ヒュペルボレオス極北神怪譚 (創元推理文庫)
大瀧 啓裕
東京創元社(2011-05-28)
売り上げランキング: 304327

6点
クラーク・アシュトン・スミスの手になる幻想怪奇小説集第2弾。
遠未来を想定して描かれた「ゾティーク」モノとは違い、本書では失われた古代文明が舞台。
表題になっているヒュペルボレオスを扱った神話や、アトランティス文明を舞台にした怪奇小説などが収録されている。一部、親交のあったH・P・ラヴクラフトが創作したクトゥルー神話とのリンクも見受けられる。
中でも特筆すべきは、邪神を信仰する魔術師を追って土星へと渡り、異形の神々と遭遇する魔術師を描いた土星の扉が圧巻。
他に、邪神ツァトッグアの神殿に侵入した男たちが経験する恐怖を描いたサタムプラ・ゼイロスの話、伝説の魔導師にまつわる怪異譚マリュグリスの死、失われたムー大陸にまよいこんだ考古学者の末路を描く月への供物もおすすめ。
ただ、全体的な完成度で言うとゾティーク幻妖怪異譚の方が一枚上手か。

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genre : 小説・文学

tag : ファンタジー 感想 レビュー

ゾティーク幻妖怪異譚 クラーク・アシュトン・スミス

ゾティーク幻妖怪異譚 (創元推理文庫)
大瀧啓裕
東京創元社(2009-08-30)
売り上げランキング: 343178

6・5点
文明が滅びつつある遠未来の地球。そこにはゾティークと呼ばれる超大陸が横たわり、妖術師や占星術師、果ては木乃伊などの魑魅魍魎が跋扈している。科学的な文明は失われており、人々の暮らしは中世ヨーロッパ然としている。本書におさめられているのは、そんなゾティークを舞台とした17の短編である。

降霊術師の帝国……死者の帝国を築いた魔術師の話。
拷問者の島……蛮族の島に流れ着いた王族に待ち受ける運命とは?
死体安置所の神……死体愛好者の国をめぐる復讐譚。
暗黒の魔像……物乞いの頃に受けた仕打ちに報復しようとする魔術師の話。
エウウォラン王の航海……伝説の鳥を追い求め、たどりついた驚異の島とは!?
地下納骨所に巣を張るもの……木乃伊を求めて怪物だらけの納骨所に足を踏み入れる騎士の話。
墓の落とし子……魔獣に襲われて逃げ込んだ先は……。
ウルアの妖精……強欲な王女に言い寄られた若者がとった行動は?
クセートゥラ……時空のはざまに入り込んだ山羊飼いが陥った罠。
最後の象形文字……占星術に従って向かった先に待ち受けている運命とは……。
ナートの降霊術……さらわれた妻を探して旅をする王子。たどり着いた先で知った残酷な末路とは?
プトゥームの黒人の大修道院長……騎士たちが迷いこんだ修道院に秘められた謎。
イラロタの死……嫉妬深い女王が愛人を追って見たものとは?
アドムファの庭園……魔術師が造った地獄の植物庭園をめぐる話。
蟹の支配者……財宝探しの末にたどりついた謎の島。そこで見たものとは?
モルテュッラ……放蕩の末に夢魔と交わう詩人だったが……。

久しぶりにハイ・ファンタジーを読み、流麗な物語とゴシック調の文体に酔いしれているえんまるです。ナニコレ、すごいじゃん。もっと早く読みたかった、というのが率直な感想。十代の頃ならもっと楽しめたかもしれませんね。読み終えた今はちょっと食傷気味。それだけ濃密な文体、濃密な物語だったということです。
収録作品の中で特に面白かったのは、暗黒の魔像、地下納骨所に巣を張るもの、墓の落とし子、アドムファの庭園、といったところでしょうか。どれもRPGゲームをプレイしているような感覚におちいります。それもそのはず、作者のクラーク・アシュトン・スミスは、クトゥルー神話でおなじみのH・P・ラブクラフトと同時代の詩人なのだそうです。(なるほど、このイマジネーションの奔流は、若い頃からつちかった創作力のたまものだったんですね、納得)
ラブクラフトと競うようにして創られたのが、ゾティークやヒュペルボレオス、アヴェロワーニュといった独自の世界観であり、これらの作品が、のちの「ファイナル・ファンタジー」シリーズを代表とするRPG作品の礎になったわけです。RPGが誕生する半世紀も前にこういった作品が存在していたとは恐れ入りました。
クトゥルー神話はなんとなく知っていますが、まだ読んでません。(・・;)アセアセ
気持ち的にも時間的にも余裕のあるときにじっくりひもときたい、そんな一冊です。古典ファンタジー、恐るべし!

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genre : 小説・文学

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