a piece of cake 吉田浩美 書評
著者の吉田浩美氏はクラフト・エヴィング商會のメンバーである。これは、彼女が編集した文芸誌のようなスタイルの本。彼女の小説が掲載されているわけではなく、夫の吉田篤弘氏やフジモトマサル氏などの作品で構成されている。
中でも気に入ったのは、吉田篤弘氏のショートショート「ものすごく手のふるえるギャルソン」だ。手が震えてしまい、どうしてもお客さんのコーヒーをこぼしてしまうギャルソン。失敗して落ち込んでいるところに恋人がやってきて……。ほっこりするお話でした。
他には、『という、はなし』で吉田篤弘氏と共作したフジモトマサル氏の描き下ろし絵本が秀逸。セリフはないのに、きっちり物語として成立している。彼の他の著作を購入したくなってきた。。。
そして、フジモト氏の奥さん、片岡まみこさんの「コルク人形」の作り方。こういう世界があったのかと感心。
もう一人、クラフト・エヴィング商會などでおなじみの写真家、坂本真典氏の写真。今回挑んだのは、早朝の銀座。誰もいない大都市の姿は新鮮でした。
仕事や勉強の合間にピッタリな本です。1時間で読み終えました。

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